ケーキやパン、クッキーなど、さまざまな食品に使用されている「ベーキングパウダー」。
膨らし粉とも呼ばれ、パンや焼き菓子を膨らませてフワフワサクサクにするための膨張剤の一種で、重曹などの主成分がうまく働くよう調整されたものが「ベーキングパウダー」です。
日常的に食べる機会も多い、現代人の生活に溶け込んだ食品添加物のひとつです。
そこで気になるのが「健康への影響」ですよね。
今回は、
- そもそもベーキングパウダーって何?
- ベーキングパウダーに食べ過ぎってあるの
- ベーキングパウダーの健康への影響は?
- 妊娠中に食べても大丈夫?
といった、皆さんが持つ「ベーキングパウダー」への疑問について解説していきます。
ベーキングパウダーの成分
市販されているベーキングパウダーは、「ガス発生剤」「酸性剤」「遮断剤」の3種類の成分から構成されています。
- 「ガス発生剤」・・・ガス発生剤が水と反応することで、炭酸ガスが発生し、生地がフワフワサクサクになります。(例)炭酸水素ナトリウム(重曹)、炭酸水素アンモニウム(重安) など
- 「酸性剤」・・・「ガス発生剤」と一緒に水に反応することで炭酸ガス発生を促進します。(例)酒石酸水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、酒石酸、焼ミョウバン など
- 「遮断剤」・・・保管中に「ガス発生剤」と「酸性剤」が反応し、炭酸ガスが発生しないようにさえぎる成分です。(例)でんぷん、小麦粉 など
このように、主成分であるガス発生剤がうまく働くよう、酸性剤や遮断剤によって調整されたものが「ベーキングパウダー」です。
ベーキングパウダーの食べ過ぎは体に悪い?下痢や腹痛を起こす人も?
ベーキングパウダーが体に悪いという噂もあります。
ベーキングパウダーが体に悪いと言われる理由は、「硫酸アルミニウム」と「ガス発生剤」の2点です。
硫酸アルミニウムの影響
酸性剤として使用される焼きミョウバン(硫酸アルミニウム)は過剰に摂取することで、下痢などの症状を引き起こしたり、中枢神経障害や骨軟化症、貧血などの懸念があります。
WHOは摂取量について、体重1Kgあたり1mgを基準としています。また、摂取してもほとんどが吸収されず排せつされるため、過剰摂取にはなりにくいと考えられます。
しかし、腎臓機能障害がある人、高齢者、乳児などは、排せつ機能が低下したり、排せつ機能が不十分でないため影響が出る可能性があり、注意が必要です。
また最近は、酸性剤に硫酸アルミニウムを使っていない「アルミフリー」と表示されたベーキングパウダーも販売しています。
ガス発生剤の影響
重曹などの、ベーキングパウダーに使用されているガス発生剤は、胃粘膜を刺激し、胃粘液の分泌を促す性質があります。
そのため、胃が弱っている時や胃炎などの病気の疑いがあるときに摂取すると、さらに健康に害を及ぼす可能性があります。
以上の2点がベーキングパウダーが健康に悪いと言われる点です。
健康な方の場合は過剰摂取になる可能性は低く、子どもや健康面に心配がある方も、体に合わせて注意をして摂取をすれば問題はありません。
ご自身やご家族の状況にあわせて、アルミフリーなど適切な商品を選択しましょう。
ベーキングパウダーを妊娠中に食べると影響はある?
妊娠中にベーキングパウダーを食べることで、胎児へ影響が出てしまうのではないかと考える方もいるようです。
結論として、妊娠中にベーキングパウダーを摂取することによる、明確な悪影響は報告されていません。
しかし、先ほどもお伝えしたように、ベーキングパウダーに含まれるアルミニウムには、多く摂取することで中枢神経障害、骨軟化症、貧血といった症状を引き起こす可能性があります。
また、食品安全委員会の調べによると、母親が摂取したアルミニウムが子へ移動するという動物実験の結果が得られています。
このような情報を見ると、不安になってしまうのも無理はありません。
そのため、妊娠中で気になる場合は、
- アルミフリーのベーキングパウダーを選ぶ
- 医師への相談
など、各々の状況にあった対応をすることで、不安を解消することができます。
まとめ
いかがでしたか?
今回はベーキングパウダーの栄養素や体に悪いといった噂について調査しました。
調査の結果
- 「ガス発生剤」「酸性剤」「遮断剤」の3種類の成分で構成されている
- 「硫酸アルミニウム」と「ガス発生剤」に注意する
- 妊娠中で気になる場合は、「アルミフリーのベーキングパウダーを選ぶ」「医師への相談」等の対応も可能
ベーキングパウダーは、それぞれに適した摂取量を理解すれば、健康を害さないということがわかりました。
健康に関する知識を得ることで、健康とおいしさをどちらも大切にしながら暮らしていけるようにしていきたいですね。